2010年03月23日

歯周病ではないのに歯がグラグラ

連休明けはいつも急患、新患の方が多いのですが、本日もそのような一日でした。
その中でも、私が診させていただいた新患の患者様の主訴で、
「歯がぐらぐら」という方がお二人いらっしゃいました。

歯がぐらぐらと聞けば、歯周病ですね、となりそうですが、
お二人とも別の原因です。

お一方は、神経を治療している前歯が歯根で割れてしまって、
歯の見えている部分(歯冠)がグラグラの状態です。
他の歯は全く歯周病の程度は進んでいませんし、今回の「グラグラ」に歯周病は関係ありません。

昨日もお話したように神経の治療している歯は、常に歯根破折のリスクがあるというわけです。

来月から1ヶ月海外へ行くということで、とりあえず両隣の歯に接着させ固定することで、
すぐに歯が取れてしまうことを防いでいただき、抜歯は帰国後となります。

昨日、お話したことが、次の日にすぐ実際の治療で出てくるということは、
決してたまたまではありません。
それぐらい、神経の治療の問題、かみ合わせの「力」の問題、ポストの問題、歯根破折の問題というのは、
日常的によくある問題だということなのです。


もうお一方は、奥歯の一本がなく、隣の歯を使って1本で2本分のかぶせ物を入れている方です。
(カンチレバーと言います。)

その支えの歯がグラグラということと腫れたということでご来院いただきましたが、
その歯には長く太いメタルコアが入っていて、部分的に深い歯周ポケットが出来ていて、
はっきりとは診断できないのですが、歯牙破折が疑われます。

おそらく当時その治療を行ったときには、歯を少しでも削らないようにと、
抜歯した歯の両隣の2本を削るブリッジでなく、
1本しか削らずに、1本で2本の歯を入れたのでしょう。

考え方によれば、歯を「できるだけ削らない」治療として、その一時は良かったのかもしれません。

しかし、数年すると、やはり無理な構造ということで、そこだけ負担がかかって、
長い時間をかけて、歯が力に負けて、グラグラしてきてしまったというわけです。

ぐらぐらの状態も、割れて、腫れるような状態まで進行してしまっては、
次の治療では抜歯ということになってしまいます。

こう考えると、ブリッジでなく、カンチレバーにした意義はどこに行ってしまうのだろうということになります。
むしろ、私の好きでない「両隣の歯を削って」ブリッジにした方が
まだましだったのではないかということになります。



今日のお二方とも、他の歯がぐらついてなく、ぐらぐらの原因は歯周病ではなく、
明らかに部分的な「力」が問題になっています。

後者の方の場合、仮にインプラント治療で、1本の歯にかかる力をきちんと歯がある状態と同じようにしていれば、
今日の主訴の歯が、ぐらついたり、割れることは、まずなかったと思います。


できるだけ削らない治療は基本ですが、メリットには常にデメリットがあります。
将来的なリスクや個々人の持つお口の特徴(今回で言えば力の問題)まで考え、
メリットがデメリットを上回るときに、初めてその治療に取り掛かるようにしていますし、
その治療が果たして正しかったのかどうかは、10年単位で評価しないといけないのだと考えています。


ラベル:歯科 船橋 歯医者
posted by 西船橋駅前歯科 at 23:54| 千葉 ☁| むし歯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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